これは短期間であっという間に痩せるプログラムでした。実は高校1年生の時にトライしたダイエット。ある日、「あなたも鳥のように羽ばたく。。」という文字に、鳥が海辺と青い空を飛んでいるイラスト入りのダイレクトメールが届きました。

「なんだこれは？！一体どうやって、私が痩せたいって事知ったんだろう？」と思ったけど、（その前からダイエット製品をゲットしてたので、すでにリストが売られてたんでしょうねえ。。）中を開いてみたら、すっかりとりこ。。俄然ほしくなってしまったのです。

それはアメリカの医学博士が開発したとかいう、9日間で痩せる脅威のダイエットプログラム。

メニューに沿った食事と、食事前の軽い運動、そして毎日９杯以上の水を飲むというダイエット方法。お金は確か、4万5千円程したと思います。高校生にしては高額です。そこで、友達と共同購入。半分づつ出し合って、手に入れました。届いたセットは、ただの本でした。わかってたけど、ほんとにただの本。それに、メニューが別についていただけ。。

とにかく痩せたかったので、やってみました。。これが初めて、台所に立つきっかけとなりました。メニューそっくりに作れて、「すごい♪私ってお料理できるのねー！」なんて楽しみながら作れました。これだけは良かった点かもしれません。

さて、その9日間のプログラムです。最初の2日間は、とてもさびしいダイエットメニュー。いまどきのダイエットメニューでは考えられないチンケさでした。全部グラム数が決まっていて、それを超えて食べてはいけないのです。確か野菜中心で、あっさりと軽いものばかりで、すぐにお腹がすくようなものばかりでした。それでも、ご飯は半膳か、食パンも半枚が許されてたのがせめてもの救いでした。食事前に軽い運動が必要で、私は縄跳びを５００回やりました。そして必ずコップ9杯の水を飲む。小分けでもいいし、まとめてもいい。この水分で空腹を満たすというか、もちろん浄化させる意味もあったのでしょうけど、ほとんど水腹って感じでした。

2日間はなんなくクリアできました。しかし、、、3日目、4日目は、、なんと絶食が2日間！まあ、朝、昼、夜に、めちゃくちゃ薄いすましスープだけは、摂っていい事になってましたが。。

高校1年生と言えば、まだまだ発育盛り。体育の授業だってあります。なのに絶食2日間、、非常に厳しいものがありました。しかし、やるしかない！頑張りました。すきっ腹に水9杯ってきついんです、、無事絶食を終えて、5日目の朝は、一気に体重が4キロも落ちてました。信じられません。そしてその日のメニューは、これまたいきなりの解禁メニューです。お肉か魚のどちらかを急に食べて良いのです。しかも朝から晩まで。。今考えるとメチャクチャなメニューだと思います。当時は、久しぶりの固形の食事ですから、踊り狂うかのごとくに平らげました。もちろん、量は決まってますが、絶食のすぐ後にしてはすごいボリュームでした。

そして6日目、７日目までは、最初の2日間よりは少し腹持ちするメニュー。残りの８日目、9日目は、また最初の2日間と似たようなメニュー。9日間は必ず水を9杯以上が基本です。

これで本当に、わずか9日間で４．５キロのダイエットに成功しました。

このダイエットでは、特にウェストが細くなり、鎖骨とアバラ骨がくっきりでした。あまりに細いウェストに、しばし鏡に見ほれるほど細くなったのです。周りが目を見張る程でしたから、自惚れって訳ではなかったと思います。それほど、細くなった訳です。しかし、肝心の太い足は、あまり変りませんでした。元々が下半身デブなんですよね。

その後、普通の食生活に戻しても、しばらく太りませんでした。たまにお菓子を食べ過ぎて、1キロ太ると、ちょっと気をつけさえすれば、また４６ｋｇに戻るのです。これが大学受験期前まで維持できたから、すごいダイエット効果だったと思います。それに、このダイエットがきっかけで、太ってしまっても、なぜかウェストだけは細いというおまけがしばらく続きました。おかげで５０ｋｇまでは、7号サイズも入りました。どんなに太っても、9号は必ず入るという、不思議な体型になりました。　しかし、これもさすがに６０キロを超えると、9号サイズは無理です。

今、かろうじて６０ｋｇはありませんが、9号はさすがにちょっと苦しくなってきました。入らない事はないのですが、余裕がなくパンパンでみっともないのです。やはり、加齢とともに、腰周りにお肉がたっぷりとついてきたためです。先日も、せっせと片付けものをしていた私の後ろ姿を見つめていた旦那が、「お前、、、見事にくびれがなくなったよなあ、、、オバサンになったなあ、、」と、しみじみと言いながら、背後からわっしと私の脂肪の浮き輪をつかみました。改めて言われると、かなり来るものがありましたね、、、

私はこういう系統のダイエットは、絶対お勧めしません。非常に危険だと思います。なぜなら、その2年後の大学受験勉強期間中、つい夜食でおやつ、菓子パンなぞを食べていたら、５０キロにリバウンド！花の女子大生になる前の高校生活最後の春休みに、「またあのダイエットプログラムで痩せればいいわ♪」と軽く考え、実行すると。。

絶食の期間中、なんと全身の震えと寒気が止まらないのです。目まいまでして起き上がれません。横になっていても、食べ物を口にして後悔する夢ばかり見てました。たまたまその様子を目にした父親が、私の異常な様子から、「早く物を食べろ！」と、近くにあった、マーラーカオを渡してくれました。その時、本能的に、ここで物を食べなかったら大変なことになる！と、思い、ものすごい勢いで、マーラーカオをほおばりました。一気に3個、食べました。そしてその後、親ものすごく怒られて、危険な絶食が組み込まれたダイエットは中止しました。

あのままもし、食べなかったら、間違いなく私は拒食症になり、どうかなっていたと思います。本当に恐ろしい事になる一歩手前でした。拒食症で命を落とす人だっているのですから、過酷なダイエットは本当に命取りです。もう2度と絶食ダイエットはやらないと誓いました。

それに、もし、あのダイエットが、本当に医師が考えた安全なダイエットだとしたら、時を経た今だって存在しているはずです。絶食ほど怖いものはありません。今やダイエッターも様々な知識を持ってダイエットに臨まれてますので、こんな無茶苦茶なダイエットを実行している方はいないはずですが、悪い事例として挙げさせて頂きました。